帳簿のつけ方【個人事業主向け入門】青色申告・白色申告の記帳方法を解説【2026年版】
2026-04-02
📋 目次
帳簿をつける義務とは
個人事業主は、税務申告のために帳簿をつける義務があります。帳簿とは「1年間のお金の出入りを記録したもの」です。
| 申告方式 | 記帳方式 | 必要な帳簿 |
|---|---|---|
| 青色申告(65万円控除) | 複式簿記 | 仕訳帳・総勘定元帳 |
| 青色申告(10万円控除) | 単式簿記 | 現金出納帳など |
| 白色申告 | 単式簿記 | 収支内訳書の根拠となる帳簿 |
青色申告65万円控除を受けるには複式簿記が必須です。 会計ソフトを使えば、専門知識がなくても複式簿記に対応できます。
帳簿の種類と役割
主要簿
| 帳簿名 | 内容 |
|---|---|
| 仕訳帳 | すべての取引を日付順に記録(借方・貸方) |
| 総勘定元帳 | 勘定科目別に取引を集計 |
補助簿(必要に応じて)
| 帳簿名 | 内容 |
|---|---|
| 現金出納帳 | 現金の収入・支出を記録 |
| 預金出納帳 | 銀行口座の入出金を記録 |
| 売掛帳 | 請求済みで未入金の売上を管理 |
| 買掛帳 | 仕入・外注で未払いのものを管理 |
| 経費帳 | 経費の支出をまとめて管理 |
記帳の基本:複式簿記のルール
複式簿記では、1つの取引を「借方(左)」と「貸方(右)」に分けて記録します。
基本的な仕訳例
売上が入金された場合(10万円)
```
借方:普通預金 100,000円
貸方:売上高 100,000円
```
文房具を現金で購入した場合(1,500円)
```
借方:消耗品費 1,500円
貸方:現金 1,500円
```
クレジットカードで交通費を支払った場合(2,000円)
```
借方:旅費交通費 2,000円
貸方:未払金 2,000円(カード引落し時に普通預金→未払金に振替)
```
よく使う勘定科目一覧
| 費用の種類 | 勘定科目 | 例 |
|---|---|---|
| 仕事用品・消耗品 | 消耗品費 | ボールペン・コピー用紙・梱包材 |
| 交通費 | 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー・出張費 |
| 通信費 | 通信費 | スマホ代・ネット回線・切手 |
| 打ち合わせ飲食代 | 会議費 | 顧客との打ち合わせのコーヒー代 |
| 接待費 | 交際費 | 得意先への接待・贈答品 |
| 書籍・研修 | 研修費 | 専門書・オンライン講座代 |
| 家賃(事務所) | 地代家賃 | 事務所家賃・コワーキングスペース |
| 広告宣伝費 | 広告宣伝費 | Web広告・チラシ制作費 |
| 水道光熱費 | 水道光熱費 | 電気代・ガス代(自宅兼事務所の場合は按分) |
| ソフト・ツール利用料 | 諸会費/外注費等 | 会計ソフト代・クラウドツール代 |
会計ソフトを使った記帳の流れ
1. 銀行・カードを連携する
freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードを連携すると、取引明細が自動的に取り込まれます。
2. 勘定科目を確認・設定する
自動取込された取引に、AIが勘定科目を自動推測します。正しくなければ修正して「承認」します。同じ取引を繰り返すと学習して精度が上がります。
3. 現金取引を手入力する
クレカ・銀行口座を経由しない現金取引(屋台出店・直接受け取りなど)は手動で入力します。
4. 月次で確認する
毎月末に損益計算書を確認して、売上・経費の状況を把握します。異常値がないかチェックする習慣をつけましょう。
帳簿保存の義務
| 書類の種類 | 保存期間 |
|---|---|
| 帳簿(仕訳帳・総勘定元帳) | 7年 |
| 領収書・請求書(証憑類) | 7年(青色申告) / 5年(白色申告) |
| 確定申告書のコピー | 5年以上(推奨) |
電子帳簿保存法(2024年以降)
2024年1月から電子取引の電子保存が義務化されています。メール・PDFで受け取った請求書・領収書はデータのまま保存する必要があります。
- 紙で受け取ったものはスキャン保存可能(要件あり)
- 会計ソフトの電子帳簿保存機能を使えば要件を満たせます
帳簿をつけ始めるタイミング
開業届を出した日から記帳を始めるのが原則です。開業前の準備費用(パソコン購入・セミナー参加費など)は「開業費」として計上できます。
よくある質問
帳簿はExcelでもいい?
Excelで帳簿をつけることは法的に禁止されていませんが、複式簿記の作成が難しく、確定申告書の自動作成もできません。会計ソフトを使う方が圧倒的に効率的です。
記帳を忘れたらどうなる?
記帳義務を果たさないと、青色申告の承認が取り消される可能性があります。過去の取引を遡って入力することは可能なので、早めにまとめて入力しましょう。
副業収入の記帳は必要?
副業の年間所得が20万円を超える場合は確定申告が必要なため、収入・経費の記録が必要です。副業が本業に育った場合の開業届・青色申告申請も視野に入れましょう。
まとめ
帳簿のつけ方は、会計ソフトを使えば専門知識ゼロからでも始められます。青色申告65万円控除を目指すなら複式簿記が必要ですが、freeeやマネーフォワードなら自動仕訳機能で負担を最小化できます。まず会計ソフトで銀行・カードを連携して、日々の取引承認から始めてみましょう。